¡Hola!
遅刻魔のChica(@Chica_espana0)です!

今日のテーマは「スペイン人は時間にルーズなのか」
スペイン人と言えば、ラテンの音楽とのんびりシエスタ。そして遅刻常習犯。
というのがよくあるステレオタイプではないでしょうか。
今日は、それが本当なのか、具体的なデータをもとに一緒に解明していきましょう!
早速レッツゴー!!
スペイン人は時間にルーズ?

スペイン人と言えば、ラテンで陽気な明るさからか、常に時間にルーズなステレオタイプがありますよね。
そのイメージは果たして本当なのでしょうか。
スペイン人の64%が遅刻する
この記事を書くにあたり、非常に興味深いデータを見つけました。
スペインで2番目に多きな新聞社、El Mundoが2016年に150.000人ものスペイン人を対象に調査した結果を発表しました。
なんと64%ものスペイン人がアンケートに「常に5分~15分遅刻する」と回答し、90%以上もの人が「誰かと集まるとき、常に5分以上は待たされる」と回答したのです。
スペイン人の64%が常に遅刻!!!!!
一方、日本のウェブサイト「exciteニュース」が全国の日本人を対象に実施したアンケートでは、「待ち合わせにいつも遅刻する」と答えた人はわずか8.1%。
スペイン人と日本人の遅刻率の差、なんと56%!!!!!!
「スペイン人はよく遅刻する」「日本人は時間に正確」とはよく聞く常套句ですが、さすがにこの数字には驚き。
やはり、「スペイン人は時間にルーズ」というのは本当のようです。
機能しない集合時間
確かに、今までスペイン人と集まるときは常に誰かが遅刻していました。
約束した場所に集合時間に行っても誰もいない。
2人で集まるときならまだ何とかなりますが、10人以上となると基本的に「集合時間」の数時間後に全員そろう。
最早来るのが遅すぎて誰も遅刻の理由を聞かない。
最早何のために集合時間を設定しているのか分からないくらい…(笑)
しかし、そんな生活も慣れてしまえばこっちのもの。
次第に、遅れてくる人を待つための行きつけのカフェが出来たりして、それはそれで充実した生活が送れました(笑)
便利な言葉「Estoy llegando.」
スペイン人と集まる約束をしたとき、当日よく耳にするのが「Estoy llegando.」
翻訳すると、「もう着くよ」
「今どこにいる?」「何時に着く?」の返事として使われますが、実際のところは「少なくともまだ10分以上はかかる」と思っていた方がいいです。
私は何度か、「Estoy llegando.」と言いながら何十分も遅れてくる人を見たこともあります(笑)
一方、類義語に「Estoy saliendo.(今出ているところ)」というものもあります。
要約すると「まだ家にいるけど、もう出るところ」ということですが、実際は家を出るまでかなり時間がかかることもあります。
スペインのトイレの個室内でよく、入ったばかりの人が電話で「¡¡Estoy saliendo!!」と話すのを耳にしますが、実際に出て行くのは10分以上後なんてことも。
この問題に詳しい、隣のスペイン人に意見を聞いてみたところ、

それ、皆思っているけど難しい問題だよね~(笑)
人によって5分~20分の感覚の差があるからね
だそうです。
逆に言えば、もし自分が遅刻しそうになったとき、「Estoy llegando.」と言っておけば丸く収まりそうです。
うん、便利な言葉だ!
仕事での遅刻率
しかし、みんながみんな常に遅刻するわけではありません。
さすがのスペイン人にとっても、「遅刻してもいい場合」と「そうでない場合」があるようです。
彼らにとって、最もやらかしてはいけないのが「仕事への遅刻」
若者の失業率が約50%のスペインでは、職務怠慢とみなされ首になってしまうと命取り。
先ほどのアンケートでも、80%もの人が「仕事に対しては時間厳守する」と回答。

……80%???残り20%は????
先ほど「日本人は8%しか遅刻しない」と紹介しましたが、逆にスペイン人の20%は仕事にすら遅刻する模様。
さらに、スペインで3番目に大きな新聞社「ABC」によれば、「40%の人が時間通りに着くよう努力しているにもかかわらず仕事に遅刻する」という結果も。

…40%!?!?!?!?!
私の夫(スペイン人)曰く、

スペインでは皆就業時間ぴったりに出社するけど、もし前日に15分以上前に出社したら、次の日は5分遅れても大丈夫
らしいです。
ある意味、理に適っている気もしなくもない。
ちなみに、スペイン人にとって「仕事の次に遅刻してはいけないシチュエーション」は、
1位 結婚式(39%)
2位 デート(36%)
3位 病院(36%)
という結果に。
…逆に残りの60%以上の人はどういう場合に時間厳守を心がけるのか気になります。
スペイン語で「遅刻魔」は
もちろん、スペイン語にも「常に遅刻する人」と言う意味の名詞があります。
それが、「tardón」
由来は皆さんご存知の、「遅い」と言う意味の「tarde」です。
もしスペイン人に遅刻された場合は、この言葉を使って文句を言ってみましょう。
一方、「時間に正確」という形容詞も存在します。
それが、「puntual」
たまに時間に正確なスペイン人が、「porque somos puntuales~(だって私たち時間に正確な人間だから~)」と言って、遅刻してきたスペイン人を皮肉ることもあります(笑)
スペイン人が遅れてくる理由

スペイン人の半数以上が常に遅刻することが、データで明らかになりました。
では、彼らはなぜ遅刻するのでしょうか。
遊び・デートに遅れる理由
遅刻しても物質的な不利益を被らないのが「遊びの約束」
ついつい気が緩んでしまうのは日本人も同じでは。
スペインの場合、遊びやデートに遅れてくる理由の一つに、「どうせ相手も遅れてくるから」があります。
特に集まる相手がtardón(遅刻常習者)の場合、せっかく時間厳守で向かったところで、何十分も待たされることもしばしば。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」と同じ原理で、みんなで遅刻すればそもそも「遅刻」という概念もない。みんなが遅れれば誰も責められない。
ある意味みんなハッピー!
ラブ&ピースの精神です。
仕事に遅れる理由
既に紹介した通り、スペインで「仕事への遅刻」はクビに直結する死活問題。
遅刻してはいけないとわかっているのに、どうして遅刻してしまうのでしょう。
先ほど、スペインで3番目に大きな新聞社「ABC」が「40%の人が時間通りに着くよう努力しているにもかかわらず仕事に遅刻する」と発表したと紹介しました。
そう、彼らは努力しているのに遅刻してしまうのです!!(少なくとも仕事の場面では)
隣のスペイン人が「努力して遅れるなら努力しない方がいいんじゃない」と言っているのはさておき。
どうして彼らは遅刻してしまうのか。
それにはスペインの交通事情が深く関わっています。
時刻表がない公共交通機関
スペインでは約30%の人が仕事に行くのに、地下鉄やバスなどの交通公共機関を使います。
しかし、そもそもスペインの公共交通機関には時刻表がありません。
日本では分単位で毎日正確に電車が来ますが、スペインでは「この時間帯は1時間に○本」という決め方をしています。
よって、その日その日で電車が来る時間が違うのです。
目的地まで1本で着くならまだしも、何本も乗り換える場合、最終的に所要時間にかなりの違いが生まれます。
頻繁に起こるボイコット
さらに、もう一つスペイン人の頭を悩ませるのが「huelga(ボイコット)」
スペインでは電車や地下鉄、バスにタクシーまで、ありとあらゆる交通機関の従業員が定期的にボイコットをします。
その度に迂回したり、別の交通機関を使わないといけないので、現場は朝から大混乱。
それでもボイコットは事前に何日にするのか発表されるので、対策できそうな気もするのですが…
車社会のスペイン
もう一つの理由に、スペイン人の車での通勤率の高さが挙げられます。
ABCの発表によると、居住地区内で働かない人のうち89%が車で通勤していると言います。
大都市マドリードでもこの傾向は変わらず、毎朝都心への幹線道路は埋め尽くすほどの大渋滞。
一度私もマドリード行の大渋滞に巻き込まれたことがあるのですが、40分で着く道が、その日は2時間以上もかかりました。
これでは何時に出発しようと遅刻確定は免れない!!
車でそんなに時間がかかるなら、電車で行けばいいじゃない!と思ってしまいがちですが、そうもいかないのが歯がゆいところ。
スペインでは日本と違い、都会であっても車がないと出勤できないような場所に会社があるのもしばしば。
だからマドリードでもそれぞれの会社に巨大な駐車場が付いていたりするんですね。
スペイン人にもスペイン人なりの事情があるようです。
遅刻が嫌いなスペイン人もいる

ネガティブなイメージばかり発信するのは気が引けるので、ここからはポジティブなお話!
「スペイン人の64%が遅刻する」という事実の一方、「遅刻するのが嫌いなスペイン人」も一定数います。
特に私が知り合った中では、日本に興味のあるスペイン人や、実際に日本に住んでいるスペイン人の多くが「遅刻大っ嫌い人間」
人に遅刻されるのはもちろん、人を待たせることを嫌う人もいます。
私の知り合いの「遅刻大嫌いスペイン人」は、「日本ではこれが当たり前だし、それが礼儀だと思うから」と言って約束の5分前には着いていたりします。
日本人の私よりも時間に正確なので、こちらが焦ることもしばしば(笑)
実はこんな記事を書いておきながら、私はものすごく遅刻魔なのですが、スペイン人との約束に遅刻すると「Ya estás españolizada!(スペイン人化してるやん!)」と驚かれたり(皮肉を言われたり笑)もします。

ちなみに、スペイン人は自分たちが外国で「時間にルーズな人」と呼ばれていることも、遅刻魔だとも自覚もしてるよ(笑)
まとめ
今日は「スペイン人は時間にルーズなのか」をテーマに、様々なデータをもとに考察してみました。
結果としては、「半数以上が遅刻常習犯」!!
しかし、彼らにも彼らなりの遅刻の理由があって、どうしようもないのも事実。
中には遅刻が嫌い派のスペイン人もいるので、ステレオタイプだけで決めつけてはいけません。
こんな記事を書いておきながら、私もかなりの遅刻魔。
これまで何回もスペイン人より遅く到着してきたので、彼らを責めることもできません。
むしろ自戒の意味を込めてこの文章を書いています(笑)
これからはスペイン人を習って、ラブ&ピースの精神で約束を遂行していこうと思います!(?)
このサイトでは、スペインの文化やスペイン語、国際結婚について発信しています♪
是非他の記事も読んでみてくださいね!
ではでは、Chao!
参照元:ABC、El Mundo、Exciteニュース
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