¡Hola!
スペイン語と英語を6年以上勉強し続けているチカ(@Chica_espana0)です!

今日のテーマは「どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法」
2013年、Youtube上に興味深い動画がアップされました。
タイトルは「どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法」
動画はみるみるうちに拡散され、今日までに世界中で2000万回以上再生されました。
今日はその動画を見てみた元外大生としての感想と、実際に半年でマスターする方法を紹介してみます。
早速レッツゴー!!
どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法
「どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法」という名前の動画があります。
アメリカの非営利団体「TED」が2013年にYouTube上にアップし、今日までに様々な言語圏で大きな反響がありました。
講演されているのはクリス・ロンズデール氏。
ニュージーランドの心理学者です。
動画内では、自身が実際に半年で中国語を習得した経験と、心理学者ならではの視点で勉強法を紹介しています。
その動画がこちら!
全編英語ですが、日本語の字幕を付けることも出来ます。
ここで紹介されている勉強法を今日は紹介していきます♪
半年で外国語をマスターするための5原則

クリス・ロンズデール氏は講演で、「半年で外国語をマスターするための5つの原則と7つの実践方法」を紹介しています。
まずはその「5つの原則」から。
「外国語を学ぶとはどういうことなのか」「どうしたら効率的に勉強できるのか」がここに凝縮されています。
1.自分に関わる分野の言語に集中する
「毎日使う挨拶」「好きな音楽」「趣味に関する言葉」「仕事で使う語彙」…
とにかく今の自分にとって一番身近で興味のある分野から勉強する!
例えば、興味が無いのにいきなり「全国通訳案内士スペイン語過去問解説」を買って問題を解きまくるより、好きなアニメのスペイン語版を見る方が、結果的に効率的だということですね。
外国語に関わらず、すべての分野の学習に共通することだと思います。

確かに学術的な単語より、汚いスラングの方が身近で覚えやすい!
2.最初からコミュニケーションのツールとして外国語を勉強する
「外国語はコミュニケーションのツールに過ぎない」というのはよく聞きますよね。
実際この設定をあやふやにしてしまい、「スペイン語を学ぶために文法を勉強する」という状態に陥っている人も多いのでは。
そうではなく、何のために外国語を勉強するのか、なぜその言語なのか「外国語を勉強する目的」をしっかりしておくことが大事!
ちなみに「特に目的はないけどスペイン語が好きだから勉強する」という人は外国語大学で「言語学」として言語を勉強してみると楽しいかもしれないです。
3.先に文脈、後から文法を理解
例えば、市役所から出てきた友達が「He sacado una copia del empadronamiento para solicitar el subsidio por desempleo.」と言ったとしましょう。
この時、文の意味が分からなくても、
- 相手の険しい表情→深刻な内容
- 住民票を手に持っている→「empadronamiento=住民票」
- 市役所から出てきた→公的な何かを申請する?
- 相手の経済状況→失業に関すること?
などを包括して「失業手当申請のために住民票のコピーを貰ってきたのかな」と推測できます。
実際、後から調べてみると文法と語彙からそのようなことを言っていたとわかります。
例が極端でしたが、このように「文法よりも先に文脈を理解する」を繰り返すことで、感覚的に外国語を身に付けることが出来ます。
感覚的に外国語が分かれば、より早く、より正確に状況にあった言葉を操れるようになります。

自分が話すときも同じく、まずは完璧な文法よりも文脈を伝えることに集中しよう!
4.外国語学習は肉体的トレーニング
外国語学習は肉体的トレーニングと一緒!
耳で聞き、体を動かしてジェスチャーし、顔じゅうの筋肉を動かして発音することで初めて相手に伝わります。
逆に机に座って参考書を広げているだけでは十分ではないということですね。
クリス・ロンズデール氏が講演で取り上げた学生同様、私も以前は同じような状況にありました。
センター試験の英語でほぼ満点、全国模試の英語で一位を取るほど英語が得意だったのに、いざネイティブを前にすると全く話せない!!聞き取れない!!!
なぜなら全く体を動かさずに頭だけで英語を勉強していたから…
(詳しくはこちらの記事で紹介しています↓↓)
5.楽しく勉強する
クリス・ロンズデール氏は、「悲しみ」「怒り」「不安」の感情があると外国語学習は上手くいかないと言います。
反対に、「楽しく」「リラックスして」「好奇心がある」と習得は早くなるんだそう。
この言葉通り、私は学校で習う英語が大嫌いだったので、初めは全く覚えることが出来ませんでした。(「School」の綴りを覚えることすらできなかった)
でもディズニー映画を英語で見るようになり、「星に願いを」をオリジナル歌詞で聴くと、自然と興味を持って勉強できるようになったのを覚えています。

スペイン語を楽しく勉強するツールは以下の記事で紹介しているよ!
7つの具体的な実践方法

さて、5つの原則を理解したら、それを実践するための具体的な方法を見ていきましょう!
1. たくさん聞く
とにかくどっぷり外国語に浸かる!!
通勤時や作業中にスペイン語音声を聞き流すだけでもかなり効果があります。
2. 言葉より先に意味を理解する
これは5原則の3つ目、「先に文脈、後から文法を理解」と同じですね。
ボディーランゲージや状況から先に意味を感じ取ることで、感覚的に外国語を話せるようになります。
3. 言葉を組み合わせる
単語の意味を理解したら、それを組み合わせて文章にしていく!
「10個の動詞」「10個の名詞」「10個の形容詞」だけでも、1000通りの文章を作れるようになります。
この際、文法がぐちゃぐちゃでも大丈夫!
とにかく相手に伝われば、それはもう立派な「言葉」なのです。
4. 核の部分に集中する
「核の部分に集中する」とは、言い換えると「頻出の語彙を勉強する」ということ!
英語の場合、たった3000語を覚えるだけで日常会話の98%を理解できるとクリス・ロンズデール氏は言います。
スペイン語の場合は「キクタン スペイン語【入門編】」や「スペ単!
」のような単語帳を一通り覚えるだけで、かなり会話が楽になります。
5.「外国語学習の親」を見つける
赤ちゃんは上手く話すことは出来ませんが、親が根気よく会話に付き合うことで、少しずつ言葉を覚えていきます。
外国語も同じ。
安心して外国語を話せる相手がいるだけで、自分に自信が付き、より早く言語を習得できます。
クリス・ロンズデール氏は「理想的な外国語学習の親の条件」として以下を挙げています。
- あなたが何を言っているのか理解しようと努める人
- 間違いを正そうとしない人
- フィードバックをしながら正しい受け答えを教えてくれる人
- あなたにわかる単語を使う人
これらの条件を満たす人は、必ずしも友人や恋人である必要はありません。
スペイン語の先生でもOK!!!!
6. 表情を真似する
顔の筋肉の動きは発音に直結します。
こうすることで、いわゆる「カタカナ発音」ではない、ネイティブが理解しやすい発音をすることが出来るようになります。
7.言葉を脳内のイメージに繋げる
外国語の単語を聞いたとき、まず日本語に訳そうとしていませんか?
例えば「Fuego」と聞いて「火」と訳し、そのあと脳内に「火のイメージ」が現れる。
これだと「外国語」→「日本語」→「脳内イメージ」
となり、毎回日本語訳を媒介しないと意味を理解できなくなります。
そこで大切なのは、「Fuego」=「火のイメージ」でダイレクトに覚えること!!
こうすることで、火を見れば自然と「Fuego」、「Fuego」と聞いたら自然と「火のイメージ」を連想できるようになり、より早く正確に話せるようになります。
「どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法」を見た感想

外国語大学でスペイン語を専攻した身としては、5つの原則、7つの実践法すべてが目から鱗の内容でした。
もっと早く出会いたかったくらいです(笑)
ただひとつ驚いたのが、「文法の習得の重要性についてあまり触れていない」ということ。
むしろクリス・ロンズデール氏は「文法は後からでいい」と断言しています。
これは彼が目指す「外国語をマスターした状態」が、「外国語を難なく”話せる”状態」を意味しているからだと思います。
しかし、言語には「読み書き」と「会話」の2種類の要素があります。
クリス・ロンズデール氏の方法は「会話」の習得に非常に特化していると言える一方、「読み書き」はあまりカバーされていないように感じました。
外国語を「話せる」けど「書けない」人たち
英語圏に留学中、世界中から英語を勉強しに来ている大勢の学生に出会いました。
彼らは、(勝手ながら私の独断で分類すると)大きく2種類に分けられます。
1つは「英語がペラペラなのに読み書きができない」人たち。
彼らはクリス・ロンズデール氏が紹介するような方法で英語を学んでいたため、会話がとっても得意な一方、文法や単語の綴りが苦手な人が多かったです。
結果、学校のレベル分けテストが筆記試験だったため、ほとんどの学生が実際の会話レベルよりかなり低いクラスに所属することに。
普段はあんなにペラペラなのに、私からすると中学校レベルの文法を知らなかったりと、かなり衝撃的な光景でした(ごめんね、アミーゴの皆)
彼らは実生活では問題なくコミュニケーションを取れる一方、IELTSや大学試験の対策でかなり苦労していたようです。
外国語を「書ける」けど「話せない」人たち
一方、逆のタイプの人たちもいました。
文法からみっちり勉強し、試験では高得点を取る一方、何故か「全く話せない」人たち。

私はこの部類にいたよ(泣)
このタイプの人は、普段文法問題を繰り返し解く一方、クリス・ロンズデール氏が語る勉強方法には馴染みがないことがほとんど。
リスニングは何とかなっても、スピーキングとなると「話せるけど読み書きできない人たち」の足元にも及ばない、なんてことになってしまいます。
しかし筆記試験には強いので、クラス分けでは常に上位、大学入試や資格の試験も比較的スムーズに通りやすかったです。
(ただ、会話力が低いと、入れた後実力とのギャップに本当に苦労する…)
結局文法と会話力、どっちが大事?
実は、私が在籍していた日本の外国語大学の教授や生徒の間でも、「文法から学ぶべきか」「会話から学ぶべきか」かなり意見が分かれていました。
もちろんどちらも同じくらい大事なのは言うまでもないですが、特に初心者のうちは両者を同じ配分で勉強するのは難しいのです。
そこで私が提案する方法が、「勉強の目的に合わせる」こと!
外国語を勉強する目的が、「コミュニケーション」に関連しているなら間違いなくクリス・ロンズデール氏の方法で勉強した方がいいです。
(例えば「現地で働きたい」「友達が欲しい」「本場の○○を体験してみたい」等がこれに当てはまります)
一方、外国語を勉強する目的が「読み書き」に関連しているなら、文法から勉強するのがおすすめ。
(例えば「TOEICで900点台を取りたい」「現地の入学試験を受けたい」「仕事でネイティブとメールするため」等)
最終的には自分が好きな方法で
ここまで書いておいてなんですが、一通り色々試したら、最終的には自分が好きな方法で勉強するのがベスト!
クリス・ロンズデール氏の言葉通り、「楽しい」という気持ちがないと勉強は長続きしません。
「好きこそものの上手なれ」
これをモットーに、上手く自分の感情をコントロールして外国語学習に役立ててみてくださいね♪
現在のクリス・ロンズデール氏
さて、最後に現在のクリス・ロンズデール氏の姿と、当時の講演についてのインタビューを紹介します。
2013年に発表されて以降、世界中の言語学習者たちに影響を与えてきた彼の勉強法。
それを実際に試して、日本語がペラペラになった中国出身の女性(ヤンチャンさん)がいます。
なんとYouTube上に彼女とクリス・ロンズデール氏が中国語で意見交換をする動画が公開されていました。
ヤンチャンさん日本語すごく上手…!!!!!!!!!
クリス・ロンズデール氏…中国語ペラペラすぎる…!!!!
心理学者であり言語学者でもある彼は「The Third Ear」という著書で、さらに詳しくこの言語学習法について紹介しています。
全編英語ですが、これを読むだけでも語学力が上がること間違いなしです。

今後の二人の活躍に期待!
まとめ
クリス・ロンズデール氏の人気動画「どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法」についてまとめてみました。
彼曰く、外国語学習には「5つの原則と7つの実践方法」があります。
しかし、個人的にはこの方法は会話の習得のみに特化していると感じました。
一番大事なのは、自分がどんな分野で「マスター」になりたいのか考え、実践すること。
目的に合わせて勉強方法をカスタマイズすることをおすすめします。
私もクリス・ロンズデール氏の方法の通りに、今度はポルトガル語、中国語あたりに挑戦してみようかな!
ではではまた会いましょう、Chao!
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